最近、日本株を見ていて強く感じることがあります。
「良い会社はたくさんある。でも、昔ほど素直に“安い”と思える株が少なくなった」ということです。
数年前に買った日本株の中には、その後株価が何倍にもなった銘柄もあります。
今の株価だけを見ると、「よくこんな安いところで買えたな」と自分でも思うことがあります。
一方で、現在の日本株を見ると、業績が良く、増配も続いていて、PERも極端には高くない。
それなのにチャートを見ると、すでに上場来高値や数年来の高値に近い――。
そんな銘柄がかなり増えた印象があります。
では、高値圏にある日本株はもう買わない方がいいのでしょうか。
今回は、長期投資を続けてきた私が、「昔の割安な日本株」と「現在の日本株」を比べながら、今ならどう買うかを考えてみます。
数年前の日本株は、本当に安い銘柄が多かった
今振り返ると、数年前の日本株には「なぜこの株価で放置されているのだろう」と思うような企業が少なくありませんでした。
利益をきちんと出している。
財務もそれほど悪くない。
配当も出している。
それでもPERやPBRは低く、株価も長期間あまり動かない。
今なら人気化しそうな企業でも、当時は市場からほとんど注目されていないケースがありました。
- 利益が出ていても株価が評価されない
- 配当利回りが高くても人気がない
- PBR1倍割れが珍しくない
- 現金を多く持つ企業でも株価が動かない
- 海外株と比べて成長期待が低く見られていた
私自身も、その時期に日本株をいろいろ買いました。
もちろん、当時から「この株は将来何倍になる」と分かっていたわけではありません。
ただ、利益や配当、財務内容などを見ながら、
「この会社なら長く持っていてもいいのではないか」と考えて買った銘柄を保有し続けてきました。
結果として、その中から株価が大きく上昇した企業も出てきました。
ただし「昔は簡単だった」と考えるのも違う
ここで気をつけたいのが、過去のチャートを見ると、昔の株価が非常に安く見えてしまうことです。
例えば現在1,500円の株が、数年前には500円だったとします。
今になって500円のチャートを見ると、
「どう考えても買いだった」
と思ってしまいます。
しかし、実際に500円だった当時には、その株なりの不安材料がありました。
景気後退への不安、業績悪化、コロナ禍、金利、原材料価格、海外情勢など、
その時々で「まだ下がるのではないか」と思わせる材料がありました。
株価が底値にある瞬間ほど、ニュースを見れば悲観的な話が多いものです。
後からチャートだけ見れば簡単ですが、
実際にその時点でお金を投じるのは、それほど簡単ではありません。
私が昔買った銘柄についても、「底値を完璧に当てた」というより、
業績や配当を見ながら少しずつ投資し、その後も保有を続けた結果として株価が上昇した、という方が実感に近いです。
今の日本株は「PERが低い=安い」とは限らない
最近、銘柄分析をしていて特に感じるのが、
PERだけを見ると割安なのに、チャートを見るとかなり高値圏にある銘柄が増えていることです。
PER10倍台前半。
配当利回りも悪くない。
増配実績もある。
数字だけ見ると「これは安そうだ」と感じます。
しかしチャートを開いてみると、数年間で株価が2倍、3倍になっている。
そして現在値は高値圏。
こうなると、私はPERだけを見てすぐには買わなくなりました。
- PER・PBRは過去と比べて高いか安いか
- 利益は今後も成長できそうか
- 配当は維持・増配できそうか
- 財務に無理がないか
- 株価チャートは急騰後ではないか
- 今の好材料がすでに株価へ織り込まれていないか
チャートを見る意味は「値動きを当てるため」ではない
私は長期投資が中心なので、テクニカル分析を使って短期的な株価を予想しているわけではありません。
それでも、株を買う前にはチャートを確認しています。
なぜなら、
今の株価が過去と比べてどのあたりに位置しているのかを知るだけでも意味があると思うからです。
例えば、好決算をきっかけに短期間で30%、40%と上昇した直後であれば、いくら良い会社でも私は少し慎重になります。
一方で、業績が伸び続けているのに株価が長期間横ばいだったり、一時的な悪材料で大きく下げたりしているなら、むしろ興味が出ます。
チャートだけで「買い」「売り」を決めるのではなく、
業績と株価のバランスを見るために使う。
これが現在の私の使い方です。
「高値圏だから買わない」にも落とし穴がある
では、株価が高値圏にある銘柄はすべて避ければいいのでしょうか。
私は、そうとも思っていません。
なぜなら、本当に成長を続ける優良企業の場合、
過去の高値を更新しながら長期的に株価が上昇していくことも珍しくないからです。
「高値だから下がるまで待とう」と考えていたら、そのまま業績が伸び続け、株価も上昇してしまうことがあります。
そして数年後に振り返ると、
「あの時の高値が実は安かった」
ということもあります。
長期投資の難しいところです。
株価が上がっていても、それ以上のペースで利益が成長していれば、
将来から振り返った時には現在の株価が割安だった、という可能性もあります。
それでも私は「一括投資」より少しずつ買う
今のように株価が高値圏にある銘柄が増えてくると、私が特に意識するのが買い方です。
良い会社を見つけても、いきなり大きな金額を投資する必要はありません。
私なら、まず少額だけ買います。
例えば最終的に300株持ちたい銘柄でも、最初は100株。
単元未満株が使えるなら、さらに少ない金額から入るのも選択肢です。
その後、
- 次の決算を確認する
- 株価が調整したら追加する
- 利益成長が続いているか確認する
- 増配や株主還元方針を確認する
こうして時間を分散しながら買っていく方が、今の相場では私には合っています。
「今すぐ全部買わなければ」と焦る必要もなければ、
「高値だから絶対に買わない」と決めつける必要もない。
良い会社なら少し買って、その後を観察する方法もあります。
株価が下がるまで待ち続けるのも、実は難しい
投資をしていると、「もう少し安くなったら買おう」と考えることがあります。
私もよくあります。
しかし、良い企業ほどなかなか思った価格まで下がってくれません。
株価1,500円の時に「1,300円なら買おう」と思っていたら、
1,300円にはならず、そのまま1,800円、2,000円と上昇することもあります。
逆に、念願の1,300円まで下がった時には悪材料が出ていて、
「もう少し待った方がいいのではないか」
と怖くなって買えないこともあります。
結局、底値を完璧に狙うことは難しいのです。
だから私は、
価格だけではなく「この会社を5年、10年と保有したいと思えるか」をより重視するようになりました。
昔より「何を買わないか」が重要になった
割安な株がたくさんあった時代なら、ある程度幅広く買っても、その中から大きく上昇する銘柄が出てきました。
しかし株価水準が上がってくると、同じ感覚で何でも買うのは危険だと思っています。
今はむしろ、
「良い会社だけれど、今は買わない」
という判断も必要になってきました。
- 好決算後に短期間で大きく上昇している
- 利益成長以上に株価だけが上がっている
- 配当利回りが以前よりかなり低下している
- テーマ人気だけで買われているように見える
- 将来の成長をかなり先まで織り込んでいる
良い企業と良い投資先は、必ずしも同じではありません。
素晴らしい会社でも、あまりに高い株価で買えば長期間リターンが伸びない可能性があります。
私が今も日本株を買い続ける理由
それでも私は、日本株への投資をやめようとは思っていません。
日本には、長期間利益を積み上げている企業、増配を続けている企業、世界で高い競争力を持つ企業が数多くあります。
以前と違い、株主還元を意識する企業も増えました。
高配当だけでなく、
- 配当を増やしてくれる企業
- 利益そのものが成長している企業
- 海外でも稼げる企業
- 高いシェアや技術力を持つ企業
- 財務に余裕がある企業
こうした企業を長期で保有することは、今後も資産形成の有力な選択肢だと思っています。
私自身、以前は米国株にもかなり投資してきましたが、日本企業を詳しく調べるようになって、
「日本にもこんなに優良企業があるのか」と改めて感じました。
商社、金融、通信、製造業など、長期保有したいと思える会社はたくさんあります。
高値圏の今、私ならこう投資する
現在のような相場で私が意識したいことを整理すると、次のようになります。
-
PERだけで割安と判断しない
業績や過去の評価、株価チャートまで確認します。 -
利益成長を最優先する
株価が高くても、それ以上に利益が伸びる会社なら長期では報われる可能性があります。 -
一度に買いすぎない
高値圏では特に、少額から入り追加投資できる余力を残します。 -
配当だけを追いかけない
高利回りでも利益が伸びなければ、将来的な増配は難しくなります。 -
良い会社なら長い目で見る
数十円、数百円の買値よりも、その企業が10年後も成長しているかを重視します。
「昔の株価に戻るまで待つ」は現実的ではない
長く株式投資をしていると、昔の株価を知っているだけに買いにくくなることがあります。
「この株、昔は半分の値段だったのにな」
そう思うと、現在の株価がものすごく高く感じます。
しかし企業の利益が数年前より大きく増えているなら、
昔の株価と単純に比較することにもあまり意味はありません。
売上も利益も配当も成長している会社が、業績が今より小さかった頃の株価まで戻るのを待つ。
それでは、一生買えない可能性もあります。
過去の株価ではなく、「現在の利益に対して今の株価が妥当なのか」を考える。
最近は、この視点が以前より重要になったと感じています。
まとめ|昔ほど安くなくても、良い企業まで手放す必要はない
数年前の日本株には、今振り返れば本当に割安だったと思える銘柄がたくさんありました。
私が当時買った株の中にも、その後大きく株価が上昇した銘柄があります。
ただし、それは未来が分かっていたからではありません。
当時も不安材料はありましたし、安値の時には「もっと下がるのではないか」と感じる場面もありました。
そして現在は、以前より日本株全体が評価されるようになり、
単純にPERや配当利回りだけを見て「安い」と判断するのが難しくなったと感じています。
だからこそ私は、
- 企業の利益成長
- 増配余力
- 財務内容
- 現在の株価水準
- 長期的な競争力
を以前より丁寧に見るようになりました。
株価が高値圏だからといって、優良企業への投資をすべて諦める必要はないと思います。
一方で、昔のように「安そうだからとりあえず買う」という投資もしにくくなっています。
私なら今は、
本当に長く保有したい企業を選び、少額から入り、株価が下がれば追加する。
そんな買い方を続けたいと思っています。
投資で大切なのは、過去の安値を追いかけることではなく、これから企業がどれだけ成長できるかを見ること。
昔ほど「誰が見ても安い株」が減ったからこそ、
企業を見る力と、焦らず買う姿勢がより重要になってきたと感じています。
本記事は筆者個人の投資経験や考え方を紹介するものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
株式投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断は、ご自身の責任でお願いいたします。


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