日本株を探していると、「業績は悪くない」「配当も増えている」「しかも1単元10万円以下で買える」という銘柄が意外とあります。
そこで今回は、1株1,000円以下で買いやすく、利益成長・増配・配当性向まで確認した5銘柄を取り上げます。
単純に配当利回りが高い銘柄を並べるのではなく、私が長期投資で重視している「利益が伸びているか」「無理な配当を出していないか」「今後も増配できそうか」という視点から見ていきます。
なお、今回紹介する日本駐車場開発は私自身すでに保有している銘柄です。
そのため、日本駐車場開発については「これから買う候補」というより、今後も保有を続ける価値があるかという視点でも確認していきます。
株価やPER、配当利回りは日々変動します。記事内の株価・指標は2026年9月11日前後の公開情報を基準とした目安です。この記事は特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
今回チェックする「1株1,000円以下」の5銘柄
今回取り上げるのは次の5社です。
- 日本駐車場開発(2353)【保有中】
- パーソルホールディングス(2181)
- ユニ・チャーム(8113)
- 共同ピーアール(2436)
- パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)
先に重要なことを書いておくと、「1株1,000円以下=割安株」ではありません。
株式分割を行えば、企業価値が変わらなくても1株当たりの価格は下がります。
ユニ・チャームやパン・パシフィックHDのように、企業価値そのものは非常に大きいのに1株1,000円以下になっている企業もあります。
そのため今回は株価の数字だけではなく、PER、利益成長、ROE、配当性向、財務なども合わせて比較します。
まず5社を一覧で比較
| 銘柄 | 株価目安 | 予想PER | 予想配当 | 利回り目安 | 配当性向 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 日本駐車場開発 【保有中】 |
約260円 | 約14倍 | 10円 | 約3.9% | 49.0% 前期実績 |
増配+成長 |
| パーソルHD | 約284円 | 約14倍 | 13円 | 約4.6% | 59.2% 前期実績 |
高配当 |
| ユニ・チャーム | 約950円 | 約23倍 | 22円 | 約2.3% | 48.3% 前期実績 |
長期増配 |
| 共同ピーアール | 約560円 | 約11倍 | 8円 | 約1.4% | 14.1% 前期実績 |
小型成長 |
| PPIH | 約730円 | 約20倍 | 10円 | 約1.4% | 25.8% 前期実績 |
成長+増配 |
※配当利回りは記事作成時点の株価を基準にした概算です。購入価格によって実際の利回りは変動します。
現在の配当利回りならパーソルHD、配当と成長のバランスなら日本駐車場開発、将来の増配余力なら共同ピーアール、長期増配ならユニ・チャーム、成長実績ならPPIHが目立ちます。
① 日本駐車場開発(2353)【保有中】
筆者保有
高配当
増配
利益成長
高ROE
駐車場だけではない成長企業
「日本駐車場開発」という社名を見ると、駐車場を管理している地味な会社という印象を受けるかもしれません。
しかし現在は駐車場事業だけでなく、スキー場、テーマパーク、宿泊・観光関連事業なども展開しています。
特に観光需要やインバウンド回復が追い風となり、2026年7月期は駐車場・スキー場・テーマパークの各事業が業績を支えました。
2026年7月期は過去最高業績
| 2026年7月期 | 実績 | 前年比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 約407億円 | +10.5% |
| 営業利益 | 約85億円 | +11.2% |
| 純利益 | 約58億円 | +20.9% |
売上だけでなく、利益もしっかり伸びています。
さらに会社は2027年7月期について、
- 売上高:約457億円(+12.3%)
- 営業利益:約100億円(+17.4%)
- 純利益:約60億円(+3.4%)
を予想しています。
営業利益が引き続き2桁成長する計画になっている点は評価できます。
連続増配に加え、中期的な増配方針も明確
日本駐車場開発で私が注目しているのが株主還元です。
2026年7月期の年間配当は1株9円。
2027年7月期は10円への増配を予定しています。
さらに会社は2029年7月期まで毎期1円ずつ増配する中期株主還元方針を示しています。
2026年7月期の配当性向は49.0%です。
極端に低い配当性向ではありませんが、利益成長と増配を両立できている間は十分許容できる水準だと考えています。
ROEは高いが、PBRも高い
ROEは20%台後半と高水準です。
資本を効率よく使って利益を生み出している点は大きな魅力です。
一方でPBRは4倍前後あり、株価300円以下という見た目ほど「格安株」ではありません。
これは市場から高い収益力を評価されているとも言えます。
注意したいポイント
- PBRは高め
- 自己資本比率は低下傾向
- 観光・スキー場は天候の影響を受ける
- インバウンド需要が弱まれば成長率が鈍る可能性
- 好業績が株価にある程度織り込まれている可能性
保有株としてどう考えるか
私は日本駐車場開発をすでに保有しています。
現時点では、増配方針が明確で、営業利益も成長しているため、保有理由が崩れたとは考えていません。
むしろ今後確認したいのは、「連続増配を維持できるだけのEPS成長が続くか」「観光事業が安定して利益を伸ばせるか」という点です。
株価が上昇したから売るというより、業績・配当・財務を確認しながら継続保有を判断していきたい銘柄です。
配当利回り・増配・利益成長のバランスが良く、私自身も保有を続けている銘柄です。
一方でPBRは高く、株価だけを見て「260円だから安い」と判断する株ではありません。
今後も利益成長と増配が続くかを確認しながら保有していきたいと思っています。
② パーソルホールディングス(2181)
高配当
増配
人手不足テーマ
高ROE
日本の人手不足が長期的な追い風
パーソルホールディングスは、「doda」などで知られる大手人材サービス企業です。
人材派遣、転職支援、BPO、IT・エンジニア人材、海外人材サービスなど幅広い事業を展開しています。
日本では少子高齢化による労働力不足が長期的な課題になっています。
企業側から見れば、「人を採用したいが採れない」という状況が続くため、人材紹介、人材派遣、業務効率化といったサービスへの需要は今後も残りそうです。
2027年3月期1Qは好調
| 2027年3月期1Q | 実績 | 前年比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 約4,240億円 | +13.5% |
| 営業利益 | 約189億円 | +22.6% |
| 四半期利益 | 約122億円 | +14.3% |
売上の伸び以上に営業利益が伸びている点は好印象です。
海外事業の成長や買収効果なども全体の業績を押し上げています。
一方で転職市場には注意
すべての事業が絶好調というわけではありません。
転職関連事業では企業側の採用厳選などの影響も出ています。
さらにAI関連投資など、将来成長に向けた費用も増えています。
「人手不足だから人材会社なら必ず成長する」と単純に考えない方が良さそうです。
配当は大きく成長
調整後の年間配当を見ると、
- 2023年3月期:6.1円
- 2024年3月期:8.6円
- 2025年3月期:9.5円
- 2026年3月期:11.5円
- 2027年3月期予想:13円
と、近年かなり強い増配が続いています。
株価約284円に対して13円配当なら、予想配当利回りは約4.6%。
今回の5社では最も高い水準です。
配当性向はやや高い
2026年3月期の配当性向は59.2%でした。
さらに2027年3月期の予想EPS20円程度に対して13円配当なら、配当性向は60%台になります。
ここは注意したいところです。
配当利回り4%台は魅力ですが、利益の半分以上を株主に還元しているため、今後も大幅な増配を続けるにはEPS成長が必要になります。
パーソルHDの評価
「今の配当利回りも欲しい。しかし利益成長も狙いたい」という投資家には面白い銘柄です。
予想PERも14倍前後で、極端な割高感はありません。
一方で配当性向は高くなってきているため、今後の増配ペースとEPSの伸びをセットで確認したい銘柄です。
③ ユニ・チャーム(8113)
長期増配
大型優良株
海外成長
財務健全
1,000円以下でも「低位株」ではない
ユニ・チャームは、紙おむつ、生理用品、大人用ケア用品、ペットケア商品などを世界で展開する日本を代表する生活用品メーカーです。
株価は1,000円以下ですが、時価総額は1兆円を大きく超える大型企業です。
株式分割によって1株当たりの価格が下がっているため、小型の低位株とは全く性格が違います。
中間期は本業の利益が増加
2026年12月期中間期は、
- 売上高:約4,871億円(+4.9%)
- コア営業利益:約650億円(+14.1%)
- 親会社帰属中間利益:約410億円(-1.9%)
となりました。
最終利益は小幅減益ですが、本業の収益力を示すコア営業利益は2桁増益です。
事業そのものが大きく悪化しているわけではありません。
通期予想の下方修正には注意
一方で2026年12月期の通期業績予想は下方修正されています。
原材料価格、物流費、海外市場などの影響を受けています。
ユニ・チャームは「今期の急成長」を買う銘柄というより、世界的な衛生用品・ペットケア需要を長期で見る企業だと考えています。
長期増配実績は強い
2025年12月期の年間配当は18円。
2026年12月期は22円を予定しています。
過去の株式分割を調整して見ると、長期間にわたって増配を続けている企業です。
2025年12月期の配当性向は48.3%でした。
今期もEPSに対する配当性向は50%前後となる見込みです。
財務の安心感は大きい
自己資本比率は約65%。
今回取り上げた5社の中でも財務面の安心感は高い企業です。
原材料高や海外景気の変動が起きても、財務面からすぐに苦しくなる企業ではありません。
問題はPER
予想PERは20倍台前半。
日本駐車場開発やパーソルHD、共同ピーアールと比べると高めです。
これは市場から優良企業として評価されている裏返しでもあります。
ユニ・チャームは高配当株というより「増配成長株」です。
現在の利回りは2%台ですが、財務力、海外展開、長期増配実績を考えると、今の配当より10年後の配当を見るタイプです。
④ 共同ピーアール(2436)
小型成長株
低PER
低配当性向
高ROE
今回もっとも「地味だけど面白い」銘柄
共同ピーアールは企業の広報・PR支援を中心に、インフルエンサーマーケティング、AI・ビッグデータ関連事業などを展開しています。
時価総額は大型株と比較するとかなり小さく、小型株に分類される企業です。
大型株にはない高い利益成長が期待できる一方、出来高や値動きには注意が必要です。
中間決算はかなり強い
| 2026年12月期中間期 | 実績 | 前年比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 約45.3億円 | +14.4% |
| 営業利益 | 約8.2億円 | +30.4% |
| 中間純利益 | 約4.6億円 | +30.5% |
売上が14%伸びたのに対して、営業利益は30%以上伸びています。
単純に会社の規模が大きくなっているだけではなく、利益率そのものが改善している点が魅力です。
AI・ビッグデータ事業が成長
特に注目したいのがAI・ビッグデータソリューション事業です。
昔ながらのPR会社だけではなく、企業のDXやデータ活用を取り込めるかが今後の成長を左右しそうです。
利回りは低いが、配当性向は非常に低い
2026年12月期の年間配当予想は、株式分割調整後で1株8円です。
調整後ベースでは、
- 2022年:4円
- 2023年:5円
- 2024年:6円
- 2025年:7円
- 2026年予想:8円
と、きれいな増配傾向です。
一方で現在の配当利回りは1%台なので、高配当株としての魅力はそれほど大きくありません。
しかし2025年12月期の配当性向は14.1%でした。
利益の大半をまだ配当に回していないため、将来の増配余力はかなり大きいと考えられます。
PER約11倍・ROE20%超
- 予想PER:約11倍
- ROE:約22%
- 自己資本比率:約60%超
- 配当性向:約15%
数字だけを見るとかなりきれいです。
利益成長率も高く、財務も悪くありません。
最大の注意点は小型株であることです。
- 大型株ほど売買代金が多くない
- 決算で株価が大きく動きやすい
- AI関連事業の高成長が続くとは限らない
- 大型顧客の動向で業績が振れる可能性がある
共同ピーアールの評価
今回、新規候補として私が特に気になった銘柄の一つです。
配当利回りだけなら魅力はありません。
しかしPER約11倍、高ROE、自己資本比率60%超、営業利益30%増、配当性向15%前後という組み合わせは面白いです。
「今、高い配当を受け取る株」ではなく、利益成長に伴って将来の配当が育っていくかを見る銘柄だと思います。
⑤ パン・パシフィック・インターナショナルHD(7532)
連続増配
高ROE
低配当性向
インバウンド
ドン・キホーテを運営する成長小売企業
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス、通称PPIHは「ドン・キホーテ」「MEGAドン・キホーテ」などを展開する小売大手です。
国内だけでなく海外にも展開しており、訪日外国人による免税売上も重要な成長要因です。
株価は1,000円以下ですが、こちらも大型企業であり、「株価が低い小型株」とは違います。
2026年6月期も高水準の利益
2026年6月期は売上高約2兆4,453億円、営業利益約1,748億円となりました。
純利益も1,000億円を超える規模まで成長しています。
営業キャッシュフローも大きく、本業からしっかり現金を生み出しています。
2027年6月期は利益成長が一服
会社の2027年6月期予想は、
- 売上高:約2兆6,870億円(+9.9%)
- 営業利益:約1,790億円(+2.4%)
- 経常利益:約1,753億円(-1.2%)
- 純利益:約1,105億円(+0.4%)
です。
売上は約10%増える計画ですが、利益成長はかなり鈍くなります。
今期は「高成長がさらに加速する」というより、一度利益成長が踊り場に入る可能性を考えておきたいところです。
配当性向には余裕がある
2026年6月期の配当は9.5円。
2027年6月期は10円へ増配予定です。
2026年6月期の配当性向は25.8%でした。
利益の4分の1程度しか配当に回していないため、利益が大きく落ち込まなければ増配余力はあります。
高配当目的ではない
現在の配当利回りは1%台。
共同ピーアールと同じく、高配当だけを目的に買う銘柄ではありません。
PERも20倍前後なので、数字だけを見て割安株と評価できる水準でもありません。
PPIHは「高配当株」ではなく、「利益成長と増配を長期間続けてきた成長株」として見る方が自然です。
今期は利益成長が鈍化するため、株価調整時にPERと成長率のバランスを確認したい銘柄です。
5銘柄を目的別に整理
現在の配当利回りなら:パーソルHD
予想配当利回りは約4%台半ば。
今回の5社では最も高い水準です。
ただし配当性向も60%前後まで上昇しているため、今後はEPS成長を確認する必要があります。
配当・増配・成長のバランスなら:日本駐車場開発
私はすでに保有していますが、改めて数字を見ると配当・増配・利益成長のバランスは良いと感じます。
今後は新規に買うかというより、利益成長と増配方針が維持される限り継続保有を検討したい銘柄です。
将来の増配余力なら:共同ピーアール
配当性向15%前後という余裕があります。
営業利益成長、高ROE、比較的低いPERも魅力です。
今回の新規候補では特に詳しく調べてみたい銘柄です。
大型優良株なら:ユニ・チャーム
財務力、長期増配、海外展開という安心感があります。
今期は業績予想の下方修正があるため、株価が調整した局面で長期目線から見たい銘柄です。
成長小売を長期保有するなら:PPIH
長期的な利益成長と増配実績は非常に強いです。
配当性向も低く、増配余力があります。
ただし今期は利益成長が鈍化するため、バリュエーションには注意したいところです。
保有株1社+新たに気になった2銘柄
今回5社を比較すると、私の中では次のような整理になりました。
| 位置付け | 銘柄 | 注目理由 |
|---|---|---|
| 保有継続を検討 | 日本駐車場開発 | 増配・高ROE・利益成長 |
| 新規候補① | 共同ピーアール | 低PER・高ROE・低配当性向 |
| 新規候補② | パーソルHD | 4%台の利回り+利益成長 |
日本駐車場開発についてはすでに保有しているため、今後は増配と利益成長が続くかを見ながら継続保有を判断します。
新規候補として特に面白く感じたのは共同ピーアールです。
現在の配当利回りこそ低いですが、利益成長率、ROE、配当性向を見ると「将来の配当成長」を期待できる数字になっています。
一方のパーソルHDは、すでに4%台の配当利回りがあるため、今のインカムを重視するならこちらの方が魅力的です。
まとめ|株価1,000円以下でも中身はまったく違う
今回調べた5社はすべて1株1,000円以下で購入できます。
しかし中身を見ると、企業の性格はまったく違います。
- 日本駐車場開発:保有中。高配当+増配+利益成長
- パーソルHD:4%台の配当利回り+人手不足
- ユニ・チャーム:大型優良株+長期増配
- 共同ピーアール:小型成長+大きな増配余力
- PPIH:長期成長+低配当性向
改めて感じるのは、「株価が安い」と「企業価値に対して割安」はまったく別物だということです。
300円の株でも割高なことはありますし、3,000円の株でも割安なことはあります。
私は銘柄を探すとき、まず気になる企業を見つけ、その後に売上・利益・EPS・配当・配当性向・財務・PERなどを確認します。
そして条件が良くても、すぐに買うとは限りません。
最終的には「この価格なら長期保有したい」と思えるところまで待ちます。
日本駐車場開発のようにすでに保有している株についても同じで、株価だけではなく最初に投資した理由が今も維持されているかを確認することが重要だと考えています。
「1,000円以下だから買う」のではなく、「良い企業が1,000円以下で買いやすくなっているから詳しく調べる」。
そして保有後も、利益成長や増配という投資理由が崩れていないかを定期的に確認する。
これが私の長期投資の基本です。
免責事項
本記事は筆者個人の考えをまとめたものであり、特定銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。筆者は記事執筆時点で日本駐車場開発の株式を保有しています。株式投資には元本割れのリスクがあります。投資判断は最新の決算資料・IR情報等をご確認のうえ、ご自身の責任でお願いいたします。


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