高配当・増配株を発掘
イントラストとジェイリースを徹底比較!長期投資ならどちらが買いか?
配当利回り4%台、増配実績、成長する保証ビジネス。今回はイントラスト(7191)とジェイリース(7187)を比較します。
両社がどのような事業で稼いでいるのか、業績・財務・配当・株主優待・リスクまで初心者にもわかりやすく分析します。
分析基準日:2026年10月12日。株価・予想値は変更される場合があります。
イントラストは財務安全性と長期の増配実績、ジェイリースは低いPERと配当性向の余裕が魅力です。
筆者は長期保有の安定性でイントラストをやや上位に評価します。ただし、保証事業には立替金の回収不能リスクがあります。
1. 保証会社はどのように稼ぐ?
賃貸住宅を借りるとき、保証会社への加入を求められることがあります。
入居者が家賃を滞納した場合、保証会社は契約に基づき家主や管理会社へ立て替え払いをします。その対価として保証料を受け取る仕組みです。
- 入居者が保証契約を結び、保証料を支払う
- 保証会社が家賃の支払いを保証する
- 家賃滞納時には保証会社が立て替える
- 保証会社が入居者から立替金を回収する
契約件数が増えれば保証料収入の拡大が期待できます。ただし、立て替えたお金を回収できなければ損失が発生します。
つまり、保証会社の実力は契約を増やす営業力と、滞納リスクを見極めて回収する管理能力の両方で決まります。
2. イントラスト(7191)の事業と強み
イントラストは、家賃保証だけでなく、医療・介護・養育費の保証や企業向け業務支援も展開する総合保証サービス会社です。
① 家賃債務保証
賃貸住宅の入居者に代わって連帯保証人の役割を担い、管理会社などの家賃滞納リスクを軽減します。
賃貸管理会社との取引が増えれば、保証契約の積み上げにつながります。事業用物件や高齢者世帯への対応も成長分野です。
② 医療費用保証
入院患者が医療費を支払えなくなった場合に備えるサービスです。
病院にとっては未収金リスクや督促業務の負担を減らせるメリットがあります。
医療機関が保証料を負担するタイプや、入院セットに保証を付けるタイプなどがあります。
イントラストは2015年に医療費用保証を開発しており、家賃保証に続く収益の柱として育成しています。
③ 介護費用保証
介護施設への入居時に連帯保証人の役割を担い、施設利用料などの滞納リスクを保証します。
保証対象には、家賃だけでなく食費やサービス利用料なども含まれます。
高齢単身世帯の増加や身元保証人の確保が難しいケースに対応できる点が特徴です。
④ 養育費保証
養育費の支払いが滞った場合、契約に基づいて受取人へ立て替え払いを行います。
社会的な需要がある分野ですが、収益規模や成長性は個別に見極める必要があります。
⑤ ソリューション事業
保証業務で培ったノウハウを使い、企業の業務効率化を支援しています。
- C&O:業務課題の分析から実際の業務運営まで支援
- Doc-on:SMSを利用した顧客への連絡サービス
- 保険デスク:入居者向け保険関連業務を支援
医療・介護保証は将来の成長分野ですが、現状では家賃保証が主力です。事業の多角化が進んでも、すぐに家賃保証への依存が解消するわけではありません。
筆者は、医療・介護保証の契約拡大と利益への貢献を中長期的に確認したいと考えます。
3. ジェイリース(7187)の事業と強み
ジェイリースは2004年に大分県で創業した保証会社です。現在は東京にも本社を置き、全国に営業網を展開しています。
主力は住居用・事業用の賃料保証ですが、医療費保証、養育費保証、不動産関連、IT関連などにも事業を広げています。
① 住居用賃料保証
アパートやマンションなどの入居者の家賃を保証します。
入居者にとっては保証人を用意する負担を軽減でき、家主にとっては家賃滞納リスクを抑えられるメリットがあります。
全国の不動産管理会社や仲介会社との取引を拡大することが、保証契約の増加につながります。
② 事業用賃料保証
店舗、飲食店、オフィスなど、事業用物件の賃料を保証するサービスです。
例えば飲食店が売上不振で家賃を滞納した場合、契約に基づいて保証会社が家主へ立て替えます。
事業用物件は住居用より賃料が高い場合もあり、保証料収入の拡大が期待できます。
一方、景気後退や店舗の閉鎖が増える局面では、保証会社の負担が大きくなる可能性があります。
ジェイリースは創業当初から事業用賃料保証を展開しており、長年の審査・回収ノウハウと全国の営業網を強みとしています。
③ 医療費保証
入院患者の未払医療費を医療機関へ立て替えるサービスです。
病院が保証料を負担する商品と、入院セットなどに保証を付けて患者が費用を負担する商品があります。
過去の未収医療費債権を買い取るサービスも展開しています。
④ 養育費保証
養育費の支払いが滞った場合、受取人へ立て替え払いをするサービスです。
ひとり親家庭の生活安定を支援する事業ですが、保証審査や回収能力が重要になります。
⑤ 不動産・IT関連事業
ジェイリースグループは保証事業以外にも複数の事業を展開しています。
- あすみらい:賃貸・売買仲介、マンスリーマンション、外国人向け不動産サービスなど
- エイビス:環境検査機関向けソフトウェア、医療・介護関連システム、受託開発など
- K-net:住居用・事業用保証、一棟保証など
保証事業が中心ですが、不動産とITのノウハウをグループ内に持つ点も特徴です。
住居用保証の契約拡大に加え、事業用保証や医療費保証の成長が期待できます。
ただし、事業用保証は企業倒産や店舗閉鎖の影響を受けるため、景気悪化時の保証損失には注意が必要です。
4. 業績とEPS成長率を比較
両社とも保証契約の拡大を背景に成長しています。2027年3月期の会社予想を比較します。
| 項目 | イントラスト | ジェイリース |
|---|---|---|
| 売上高成長率 | +15.6% | +15.2% |
| 営業利益成長率 | +8.4% | +6.4% |
| 年間予想配当 | 49.5円 | 60円 |
| 予想配当性向 | 約60.2% | 約42.4% |
売上高は両社とも15%前後の増加を見込んでいます。
一方、営業利益の伸びは売上高ほど大きくありません。保証契約を増やすだけでなく、保証関連費用を抑えられるかが重要です。
過去のEPS成長率
| 決算期 | イントラスト | ジェイリース |
|---|---|---|
| 2022年3月期 | 約34.9円 | 約75.5円 |
| 2023年3月期 | 約45.0円 | 約93.7円 |
| 2024年3月期 | 約54.9円 | 約100.7円 |
| 2025年3月期 | 約60.8円 | 約117.1円 |
| 2026年3月期 | 約78.0円 | 約137.9円 |
株式分割調整後の概算値を含みます。
2022年から2026年の4年間で、イントラストのEPSは約2.2倍、ジェイリースは約1.8倍になりました。
過去の利益成長率ではイントラストが上回っていますが、将来の成長率を保証するものではありません。
5. 財務安全性と営業キャッシュフロー
| 2026年3月期 | イントラスト | ジェイリース |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 約63.1% | 約33.4% |
| ROE | 約23.2% | 約37.1% |
| 営業CF | 約16.9億円 | 約9.4億円 |
自己資本比率ではイントラストが優勢です。予期せぬ損失に備える財務余力を評価できます。
一方、ジェイリースはROEが高く、株主資本を効率的に使っています。ただし、自己資本が小さいほどROEは高くなりやすいため、単純比較には注意が必要です。
営業キャッシュフローにも違い
ジェイリースでは代位弁済立替金の増加が営業キャッシュフローの重荷になっています。
立替金の増加は必ずしも貸倒れの増加を意味しません。保証契約の拡大に伴って増える場合もあります。
代位弁済額だけでなく、回収率、貸倒関連費用、営業キャッシュフローの推移を合わせて確認する必要があります。
筆者は長期保有における財務の安定性を重視するため、この項目ではイントラストを高く評価します。
6. 配当と増配余力を比較
| 決算期 | イントラスト | ジェイリース |
|---|---|---|
| 2022年3月期 | 12円 | 20円 |
| 2023年3月期 | 14円 | 30円 |
| 2024年3月期 | 18円 | 40円 |
| 2025年3月期 | 25円 | 45円 |
| 2026年3月期 | 38円 | 55円 |
| 2027年3月期予想 | 49.5円 | 60円 |
株式分割調整後の金額。
両社とも増配を続けています。イントラストは2027年3月期に11期連続増配を計画しています。
ただし、イントラストの予想配当性向は約60.2%、ジェイリースは約42.4%です。
配当性向から見ると、ジェイリースの方が増配余力に余裕があります。
イントラストは今後、EPSの成長によって増配を続けられるかが重要になります。
7. 株主優待はどちらがお得?
| 項目 | イントラスト | ジェイリース |
|---|---|---|
| 最低優待株数 | 100株 | 1,000株 |
| 優待内容 | QUOカード | 優待倶楽部ポイント |
| 権利基準日 | 3月末 | 3月末 |
イントラストの優待
- 100〜299株:QUOカード500円
- 300株以上:QUOカード1,000円
- 1年以上の継続保有が必要
100株から優待対象となるため、少額投資家にも利用しやすい制度です。
ジェイリースの優待
1,000株以上の株主を対象とするプレミアム優待倶楽部のポイント制度です。食品や日用品などと交換できます。
100株だけでは優待対象にならないため、投資資金が少ない場合はイントラストの方が利用しやすいといえます。
優待の最新条件は各社公式IRで確認してください。
8. PER・配当利回りから見る割安度
| 項目 | イントラスト | ジェイリース |
|---|---|---|
| 参考株価 | 1,144円 | 1,308円 |
| 予想PER | 約13.9倍 | 約9.3倍 |
| 予想配当利回り | 約4.33% | 約4.59% |
| 100株購入額 | 114,400円 | 130,800円 |
| 100株の年間予想配当 | 4,950円 | 6,000円 |
2026年10月9日の参考株価に基づく試算。手数料・税金は含みません。
ジェイリースはPERが低く、配当利回りも高い水準です。
一方、イントラストは財務安全性や増配実績が評価され、相対的に高いPERが付いている可能性があります。
筆者はPERだけで割安度を決めず、利益成長と財務リスクを合わせて判断したいと考えます。
9. 金利上昇・貸倒リスクを考える
両社とも保証事業を展開しているため、景気後退や家計の悪化による滞納増加には注意が必要です。
金利上昇は借入金の利息負担を増やす可能性があります。一方で、保有資金の運用収益が増える場合もあります。
重要なのは金利の方向だけではなく、保証料収入の成長と貸倒関連費用のバランスです。
決算で確認したい5項目
- 保証契約件数と保証料収入
- 代位弁済立替金の増加率
- 貸倒関連費用と回収状況
- 営業キャッシュフロー
- EPS成長率と配当性向
2社を両方保有しても、保証業界特有のリスクを十分に分散できるわけではありません。ポートフォリオ全体の金融・信用リスクも考える必要があります。
10. 筆者の投資判断|どちらが魅力的か
| 比較項目 | 評価が高い企業 |
|---|---|
| 過去のEPS成長率 | イントラスト |
| 財務安全性 | イントラスト |
| 営業CFの安定性 | イントラスト |
| 連続増配実績 | イントラスト |
| PERの低さ | ジェイリース |
| 配当性向の余裕 | ジェイリース |
| 100株からの優待 | イントラスト |
第一候補:イントラスト(7191)
筆者は長期保有の安定性を重視し、イントラストをやや上位に評価します。
自己資本比率の高さ、営業キャッシュフロー、過去のEPS成長、連続増配実績が魅力です。
ただし、配当性向が約60%に達しているため、今後の増配には利益成長が必要です。
第二候補:ジェイリース(7187)
ジェイリースはPER約9倍、配当利回り4%台半ばと、株価指標では魅力があります。
配当性向にも余裕がありますが、代位弁済立替金の増加や営業キャッシュフローの変動には注意したいところです。
イントラストは財務の安定性と増配実績、ジェイリースは割安度と増配余力が強みです。
筆者はイントラスト100株からの投資を前向きに検討しています。ただし、決算内容と購入時の株価を確認し、買い急がない方針です。
配当利回りだけでなく、5年後・10年後も利益が成長しているかを重視したいと思います。
参考資料・公式IR
※本記事は2026年10月12日時点の公開情報に基づく個人的な分析です。株価・業績予想・配当・優待条件は変更される場合があります。投資判断はご自身でお願いします。


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