求人サイトのIndeedを見ていて、ふと「この会社はどこが運営しているのだろう?」と気になりました。
調べてみると、Indeedはリクルートホールディングス(6098)傘下です。
さらに調べていくと、JAC Recruitment、パーソルHD、Visionalなど、
上場する人材関連企業にも興味深い会社がいくつもありました。
日本は人手不足です。
それなら人材会社は長期的に有望なのではないか。
最初はそんな単純な興味から調べ始めました。
ところが、業績・EPS・配当まで調べるうちに、
AIエージェントによってホワイトカラーの採用構造そのものが変わる可能性も気になってきました。
今回は人材4社を比較しながら、最後に「自分なら投資したいか」まで考えてみます。
業績・EPS・配当は2026年8月25日までに公表された各社IR資料を参考にしています。
株価・PER・配当利回りは2026年8月24日前後の水準を参考にしており、今後変動します。
先に結論|人材会社には優良企業が多かった
利益・EPS成長が非常に強い。ただし株価評価も高い。
高収益+増配が魅力。ただし今期のEPS成長は小さい。
4%台の配当利回りと増配実績が魅力。
長期的な成長力は高いが現在は無配。
ただ、4社を詳しく調べ終えたあと、
私自身は「やはり製造業などの方が投資対象として好みだ」と感じました。
なぜそう思ったのかも、後半で書いていきます。
IndeedはリクルートHD傘下
Indeedは2004年に米国で誕生した求人検索サービスで、
2012年にリクルートが買収しました。
現在ではIndeedやGlassdoorなどが、
リクルートHDのHRテクノロジー事業を形成しています。
Indeedは単なる求人サイトではない
AIによる候補者探索やマッチング、採用業務の効率化など、
人と企業を結びつける採用プラットフォームへ進化しています。
人材派遣のように大量の人員を抱えるモデルとは違い、
デジタルプラットフォームなので利益率を高めやすいのも特徴です。
売上だけではなくEPSと配当を見る
今回は売上高だけでなく、
1株当たり利益(EPS)が伸びているかを重視しました。
配当株として見るなら、
配当利回りだけでなく配当性向や増配方針も重要です。
リクルートHD(6098)
JAC Recruitment(2124)
パーソルHD(2181)
Visional(4194)
① リクルートHD|利益成長は圧倒的
4社の中で足元の業績が最も強いのはリクルートHDです。
2027年3月期第1四半期は、
売上収益が前年同期比18.9%増、
EBITDA+Sが56.5%増、
親会社株主に帰属する利益も67.5%増となりました。
EPSも大きく成長
2026年3月期349.78円から、
2027年3月期は543円を見込んでいます。
一方、年間配当は26円予想なので高配当株ではありません。
リクルートは配当よりも、
利益成長+大規模な自社株買いで
1株当たり価値を高める会社と考える方が分かりやすそうです。
会社としての強さは魅力的ですが、
PERも30倍前後まで評価されています。
良い会社でも、株価が安いとは限りません。
② JAC Recruitment|増配株として魅力
JACはハイクラス・専門職を中心とする人材紹介会社です。
2025年は売上高が17.7%増、
営業利益が28.5%増と非常に好調でした。
2026年も売上高は15%程度の成長を見込みますが、
営業利益の伸びは一桁台へ鈍化する会社予想です。
増配実績はかなりきれい
会社は配当性向65%以上を目安として、
利益成長に伴う安定的な増配を目指しています。
ただし今期EPSは52.98円から54.18円への小幅増にとどまる予想です。
配当性向はすでに70%前後です。
今後も増配を続けるには、配当性向をさらに引き上げるより
EPSそのものを成長させる必要があります。
③ パーソルHD|配当株として分かりやすい
パーソルHDはテンプスタッフ、doda、doda X、シェアフルなどを持つ総合人材グループです。
人材紹介だけでなく、人材派遣やBPOなど複数の事業を持つため、
JACとはかなり性格が違います。
2027年3月期は売上収益1兆6,650億円、
営業利益710億円を見込んでいます。
EPSは長期では伸びている
数年間でEPSはほぼ倍になりました。
ただし今期予想はほぼ横ばいです。
配当は右肩上がり
会社は調整後EPSに対して配当性向50%以上を基本方針としています。
予想配当利回りも4%台なので、
今回の4社では配当株として最も分かりやすい会社だと感じました。
④ Visional|長期成長は強いが無配
Visionalの中心はハイクラス転職サービス「ビズリーチ」です。
人事クラウドのHRMOSも成長しています。
2026年7月期第3四半期累計では売上高が前年同期比24%以上伸びており、
依然として成長性の高い会社です。
長期EPSはかなり伸びた
長期のEPS成長を見ると非常に強い会社です。
ただし今期の会社予想はほぼ横ばい。
さらに現在は無配です。
配当を受け取る株というより、
利益を再投資して将来の企業価値を高めてもらう成長株として見る会社でしょう。
人材株で一番気になるのはAIエージェント
人材会社を調べていて、一番判断が難しいと思ったのがAIです。
AIエージェントが情報収集、分析、メール、資料作成、システム操作などを
自動で行えるようになれば、ホワイトカラーの生産性は大きく上がります。
そこで人材会社にとって怖いのは、
「求人サイトをAIに奪われること」だけではありません。
もっと大きなリスクは採用人数そのものが減ること
AIによって10人必要だった仕事を5人で処理できるようになれば、
企業の売上が伸びても採用人数が同じように増えるとは限りません。
特に事務、初歩的なIT業務、調査、資料作成、
ジュニアコンサルタントなどは影響を受けやすそうです。
JACのコンサル向け+55%をどう見るか
JACでは2026年上期、
コンサルティング会社向けの人材紹介売上が前年同期比55.2%増となりました。
現在は明らかな追い風です。
ただ、AIによって若手コンサルタントの必要人数が減れば、
この高い成長率が長期的に続くとは限りません。
一方で、AI導入そのものを支援するコンサル需要や、
AIを使いこなせる高度人材への需要は増える可能性があります。
AIがコンサル業界を消すというより、
大量の若手を採用するピラミッド型の人員構成を変える可能性
の方が大きいのではないかと考えています。
JAC自身も生成AIによる一部職種の求人減少リスクを認識する一方、
高年収・専門職は高度な判断や専門知識が必要なため、
現時点で影響は限定的との見方を示しています。
AIは人材会社にとって追い風にもなる
もちろんAIは悪材料だけではありません。
AIエンジニア、高度IT人材、データ人材、
AI導入を指揮できる管理職などへの需要はむしろ増える可能性があります。
企業が古い人員構成を見直し、
必要な人材を入れ替えるようになれば、
人材紹介会社に新しい需要が発生します。
つまりAIは、
人材会社にとって「脅威」と「事業機会」の両方なのだと思います。
それでも私は製造業などの方が好みだった
人材4社を調べてみて、
「人材業界にも良い会社がたくさんある」ということはよく分かりました。
リクルートの利益成長は素晴らしいですし、
JACの高収益と増配も魅力的です。
パーソルにも高い配当利回りがあり、
Visionalにも強い成長実績があります。
ところが調べ終えたあと、
私は製造業の会社を調べているときの方が面白いと感じました。
良い会社と、自分が買いたい会社は同じではない
業績が良くても、自分がその会社の10年後をイメージしにくければ、
長期間安心して保有するのは簡単ではありません。
私には製造業の強みの方が理解しやすい
製造業なら、私の場合は競争力を比較的イメージしやすく感じます。
工場、技術、生産能力、製品、市場シェアなど、
競争力の源泉が比較的目に見えます。
もちろん製造業にも景気循環、為替、原材料高、
巨額の設備投資、技術革新など大きなリスクがあります。
それでも私には、
「なぜ売上が増え、なぜ利益が伸びるのか」
をイメージしやすいのだと思います。
銘柄を調べても、買わないという結論でいい
投資では銘柄を詳しく調べたからといって、
必ず買わなければならないわけではありません。
むしろ、
「良い会社なのは分かった。でも自分には合わない」
という結論も大切だと思います。
業績が悪化したときにも保有を続けられるかどうかは、
その会社の事業をどこまで理解できているかにも左右されます。
今回一番大きかった収穫
PERや配当利回りだけで銘柄を順位付けするのではなく、
「10年後の姿を自分なりに想像できるか」
「悪い決算が出たときにも事業を理解して判断できるか」
まで考えることが、長期投資では重要だと改めて感じました。
まとめ
人材関連株を調べたことで、
想像以上に収益性の高い企業があることを知ることができました。
その一方で、自分が長期保有したい会社を考えると、
私には製造業などの方がしっくりきます。
銘柄を調べることは「買う理由」を探すためだけではありません。
買わない理由や、自分に合う投資対象を知ることにも意味があるのだと思います。
・リクルートホールディングス 2027年3月期 第1四半期決算資料・株主還元資料
・JAC Recruitment 2026年12月期 上半期決算資料・株主還元資料
・パーソルホールディングス 2027年3月期 第1四半期決算資料・株主還元方針
・Visional 2026年7月期 第3四半期決算資料・株主還元方針
・株価、PER、配当利回りは2026年8月24日前後の市場データを参考
本記事は公開情報をもとに筆者個人が企業や株式について考察したものであり、
特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
株式投資には元本割れを含むリスクがあります。
業績予想・配当予想・株価指標は今後変更される可能性があります。
投資判断は最新の決算資料等をご確認のうえ、ご自身の責任でお願いいたします。


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